Concept
今は音楽を聴くことのハードルが下がり、一段と手軽に聴くことができます。それでもオーディオセットの電源を入れ、スピーカーやヘッドホンで聴くことが愉しくなるような音を作りたい。
音の立ち上がりがよく、特定の帯域で音に遅れのない、聴き疲れしない音を目指します。
このような音作りは、リアルで躍動感のある聴き心地のよい音になり、普段の音楽を聴くということに新しい発見をもたらすことができると考えています。
昨今のオーディオ製品の価格は普及品とハイエンドで二極化しています。
顧客への直接販売により中間マージンを下げることで流通コストを下げ、
また、製造を社内で一貫して行うことにより品質を向上しコストを効率化しています。
信頼性の高い部品を使い、高品質な製品をリーズナブルな価格で提供します。
昨今はPCやスマートフォンなどの高度化や効率化に伴って様々な電子機器から放出されるノイズも多くなってきました。通常電子機器側で対策されている場合もありますが、ゼロにすることはできません。
これらがコンセントや空間を通じてオーディオ機器に影響します。
一昔前(90年代あたり)と比べるとオーディオ機器に与えるノイズの影響はかなり増えたといえます。
SN比にかかわるような自身の機器からノイズを発生させないのはもちろん、他の機器にも影響を及ぼさないような製品を作りたいと考えています。
また、DAコンバータなどは、ノイズを多く発生させるPC等と組み合わせることも考えながら、対策や改善を施した製品を目指します。
オーディオ史の始まりを定義するのは難しいものの、オーディオが始まってからすでに半世紀以上が経過しています。
特に黎明期(60年代)は技術的制約も多く、今のようにコンピュータで簡単に回路のシミュレーションも難しい時代です。
インターネットも無いので、全世界のフォーラム(例えばdiyAudio)もありませんし、海外の書籍を入手するのも大変だった時代なのではないでしょうか。
それでも各メーカーのエンジニアは試行錯誤をして製品に反映させ、ある程度のノウハウを国内の技術誌やオーディオ誌に寄稿してきました。
また、その中でオーディオに関する基礎技術や手法はある程度成熟しました。
今オーディオ機器を設計するにあたっては、すでに幾度も試されたような典型的な回路や手法でも、現代の技術や部品で改めて検討・試作し、その上で音を聴いて評価することをしたいと思っています。
定説に囚われないとはいっても、現在確立されている理論や手法がベースにはなります。
あくまで既存の改善の延長線上として、連続的に進化させることを徹底したいと思います。
オーディオ機器の音を語る上では幾度も出てくるトピックです。ここで数値的な性能とはオーディオ機器の電気的なスペックです。よくあるのは歪み率(THD,
THD+N)やノイズ(SN比)・周波数特性などです。パワーアンプであればダンピングファクターなどもあります。
ここに対するスタンスとしては、基本的には性能はよくしたいと考えていますが、過度に追求する必要は無いと考えています。
例えば、周波数特性であれば20Hzから上限は高くても100kHzとして、それ以上は余分な音を出さないように敢えて帯域を制限する場合もあります。
必要な数値の範囲内であれば、数値的な性能を上げることよりも、上記の製品コンセプトに挙げた音により近づくように、設計を行います。
アンプであれば周波数特性を良くすることによって回路が安定することもありますので、ケースバイケースですが、基本的には過度に追求せずに出音優先とします。
しかしながら、性能をあまり緩くしてしまって例えばスピーカーからノイズが聞こえては意味がありませんので、妥協できない数値は定めています。
カレントディレクトリ 代表